▲英国が国民投票でEUからの離脱を決めた。EUの混乱はギリシャに代表される債務問題をまがりなりにも克服したことで、安定したかにみえたが、中東からの難民流入、域内の移動の自由による経済弱小国から仕事を求めての経済大国への流入問題を抱え、EUからの離脱が大きな社会問題となってきた。キャメロン首相は先の総選挙で「EU離脱問題を国民投票で決める」と公約し再選され、今回の国民投票となったわけだが、「僅差ながらも残留」の事前予想を覆し、「僅差の離脱」に決定した。
▲リーマン・ショックになぞらえ”EU離脱ショック”と言われるが、決定的な違いはリーマン・ショックが、金融システムを一挙に破壊し、世界中を駆け巡tったのに対し、英国のEU離脱はとりあえずは政治的問題であり、即、経済の破壊につながるものではない。だが、景気を先取りする株式市場、為替市場は敏感に反応する。日本の株式市場は年初から乱高下を繰り返し、昨年末に比べ60兆~80兆円の幅で下げている。為替も円高に振れ先行きに不透明感が漂っていた英国のEU離脱により、日本の株式は売られ、安全資産として円が買われることは間違いない。とりわけ、当初は先がまったく読めないだけに、ショック級の株式の下げ、円高になることは間違いない。正式の離脱は、英国がEU理事会に通告しその後2年間で、自動的に脱退になる。この間、どのような取り決めが行われ、どのような政策をとるかで、様相は違ってくる。
▲株価下落、円高は不動産市場に影響を与えないわけにはいかない。とりわけ、タワーマンションなどの高額物件には即、売行き鈍化という形で影響を与えるだろう。投資需要、相続対策、インバウンド需要を謳歌してきた都心の高額物件は株などの資産価格上昇によって支えられる部分も大きいだけに、影響も大きくならざるを得ない。実需系は可処分所得の伸び悩みにみられるように元々需要としては強いものではなかった。英国のEU離脱で先行き経済に不透明感が強まれば、これも潜在化す可能性が大きい。
EUはどこへ行くのか? この行く末によって世界情勢も大きく変わる可能性があるだろう。

