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アマビエ

アマビエ

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コロナウイルスの感染拡大に伴って「アマビエ」人気? は衰えていないようである。ツイッターを覗いてみたら「アマビエ」に関するツィートが1時間で130件とある。イラストはもちろんグッズ、和菓子・クッキー、酒・ビールとさまざまで、千葉・茂原では「あまびえ様」木彫まで出現している。水木しげる氏が妖怪として紹介していたから、流行の元はこちらかも知れない。

「アマビエ」のもとは上図で、肥後国(熊本)海中に毎夜、光る物出る。見るとづ(図)の如き者現れ「私は海中に住むアマビエと申す者也。当年より六か年の間、諸国豊作也。併し病流行に早々私写し人々に見せそうらえ」と申して海中に入りけり、とある。弘化三年(1846年)とあるから江戸時代後期である。江戸でコロリ(コレラ)が蔓延したのが安政五年(1858年)である。江戸では2年間にわたり10万人が死んだとの記録があるという。当時の江戸の人口は100万人だから人口の1割が死んだという。アマビエの妖怪図が出てからは12年後のことである。まさにコロナとは一字違い。もっとも江戸時代にはいろいろな呼び名があったようだが、コロリ退治に奔走した蘭学者・医師の緒方洪庵が「虎狼痢」としている。

ちょうど、現在再放送されている「JIN-仁-」が、現代から江戸にタイムスリップしてコロリと格闘する南方仁の姿を描いている。当然、劇中には緒方洪庵も登場する。当時の江戸の人々は、加持祈祷、疫病退散のお札を張ったとあるが、ただしこの時、「アマビエ」の写しを病除けの牛王符(護符)として戸口に張ったかは分からない。

アマビエ人気が続くようなら、彫師に版木を作ってもらい一儲けしようかなどとよからぬことを考えるが、それよりもコロナが収束してくれることを願って、家で寝ているか!!

 

追記

5月1日東京・調布市が名誉市民の水木しげるさんの描いた妖怪「アマビエ」をホームページに載せ画像提供するとの発表があった。よこしまなことをしなくてよかった。

  2020/04/30  飯田 善則
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