▼三井不動産が横浜市都筑区・鴨居で2006年に分譲した大型マンション「パークシティLaLa横浜」(705戸、施工・三井住友建設)で欠陥が見つかり問題となっている。杭の一部が支持層に届かず、4棟のうち1棟に手すりのズレや傾きが生じているという。杭を施工した旭化成建材が施工不良にもかかわらずデータを近隣のものを転用したり加筆して偽装し、その上に建物を建設したことが原因である。だが、業界トップ企業が欠陥問題で社会面をにぎわすことは由々しき事態である。
昨年は住友不動産が分譲した横浜市西区の「パークスクエア三ツ沢公園」(施工・熊谷組)でも、杭が支持層に届いておらず、マンションが傾くというニュースがあったし、三菱地所、鹿島建設という業界最強コンビで開発中の港区南青山の億ション「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」(86戸)では、配管、配線を通すためのスリーブが設計図通りに入っておらず、契約解除、建て直しという前代未聞の事態も生じている。
05年の構造計算書偽造いわゆる「姉歯事件」以降はとくに構造に関しては各デベロッパー、確認検査機関ともチェックは厳しくなった。にもかかわらず、東洋ゴムが免震建物に使う積層ゴムの検査データを偽装して出荷していたという問題も発覚している。目視で確認できない部分のデータを偽装されると、チェック体制をいくら強化してもすり抜けやすい。もはや、企業の良心、現場担当者の良心にかかわる問題と言わざるを得ない。
▼欠陥マンション問題は、集合住宅ゆえに多数の購入者がいるため、「資産価値の下落」をおそれて表にはなかなか出にくい。今回の欠陥マンション問題も、構造という基本部分の問題と同時に事業主が資本力のある大手だからこそ、社会的問題として表に出てきたともいえる。住友の「三ツ沢公園」のケースでは、建替えを前提に居住者の転居を促しているし、三菱の「南青山」のケースでは契約金の3倍返し(通常は倍返し)し、建替える。大手同士の組み合わせによるプロジェクトだからこそ、可能なスキームである。
だが、中小デベが中小ゼネコンと組んで開発したマンションで、こうした問題が起こった場合、どうか? 「姉歯事件」にみられるように、事業主は倒産し、購入者は泣く泣く建替えにより二重ローンを背負うという悲劇な結果になっている。欠陥でバッシングは受けるが、資本力のある大手は対応できることが明らかになる。これにより、消費者のマンションを見る目はより厳しくなり、購入は慎重にならざるを得ない。事業主の資本力がより問われることになる。「買うならやはり大手」となるのは必然である。大手の供給する都心物件は好調だが、中小デベの物件は必ずしも販売好調とは言えない。今回の欠陥問題でより悪影響を受けるのは中小デベである。
とりわけ2017年4月から消費税が10%に上がる。これに向けて、マンションデベは用地取得と建築期間がタイトになりつつある。請け負うゼネコン側も職人不足は深刻である。どう工期を守りながら品質チェックしていくか、そして、なお消費者の信頼をかち取れるか、厳しい選択を迫られている。


