○世界同時株安の日本の不動産市場に与える影響はどうか? 円安もあって、中国、香港、台湾、シンガポール、タイなど東南アジアから大量の旅行客が来日(7月時点で日本への旅行客は1,000万人を超えた)、インバウンド需要による”爆買い”で大手デパート、家電量販店、ドラッグストアは軒並み売上を伸ばした。
同じ現象が、都心のタワーマンション、ビルでも起きている。タワーマンションの3割が外国人投資家が購入したケースやワンルームの投資用マンションを海外で説明会を開き売ったケースなどもあり、タワーマンションの販売に際して、外国人の購入を制限する動きもある。国内投資家も株高、相続税対策と都心部の不動産購入は旺盛である。この結果、都心の一部はオリンピック景気を見越しての動きもあろうが、バブル的様相を呈している。
だが、郊外のマンション、一戸建てとなると販売に苦戦している。勤労者世帯の収入はアベノミクスの恩恵はいまだ届かず、可処分所得は減少している。(市場関連データ・世帯収入と可処分所得参照) 住宅価格は建築費の高騰、消費税アップで上昇しており、とりわけ一取得層にとっては手が出しづらい。しかも、団塊ジュニア世代も住宅需要期からピークアウトしている。
投資需要は株価とかなり密接に連動している。株価下落など蚊に刺された程度という投資家は不動産のほうが安全資産として買い続けるかもしれないが、株価が経済の先行指標であることを考慮すれば、投資意欲は減退する。当然、実需系も購買意欲は潜在化するだろう。
2014年度の企業業績はアベノミクス効果もあって絶好調であった。それが世界同時株安によって先行きに暗雲が垂れ込めたとなれば、不動産購入意欲は萎縮せざるを得ない。
中国では不動産バブルの崩壊がささやかれていたところに、株バブルを演出し、バブルのリレーを図ったが失敗したとみることもできる。だが、中国が簡単に「チャイナリスク」を表面化させるとは思えない。一党独裁で意思決定の早い中国としては威信にかけても何らかの対策を打ち出してくるだろう。
中国の動向をみながら、このまま株価が下がり続けるようなら、リーマン・ショック、ギリシャ・ショックの比ではないだろう。
しばらくは、株価動向から目を離せない。

