○8月の第3週、世界の株式市場は暴落に見舞われた。先行する日本の日経平均は17日(月曜日)の20,620.26円から下げ続け、19日の金曜日には前日の終値20,033.52円から597.69円(2.98%)安の19,435.83円と20,000円の大台を割り込んだ。続くヨーロッパ市場も下落し、ダウ平均も週初から下げ続け21日には530.94ドルの大幅下落(3.12%)となった。
原油安、米国の利上げ観測による資金還流などの要因も取沙汰されているが、最大の要因が「中国」にある事は間違いない。確かに、1バーレル100$から40$前後にまで下落した原油価格安は産油国にとっては、死活問題であり、米国の利上げも新興国から米国への資金還流という形で、影響を与えるだろう。
だが、中国の株価暴落は、中国経済の現状、先行きが見通せない者にとっては疑心暗鬼にならざるを得ない。4月の「人民日報」の論説から、政府のお墨付きとばかりに暴騰した上海総合指数は6月24日に5,166ポイントまで上昇、その後、下げ続け、8月24日時点で3,057と実に40.8%の暴落である。上海市場は海外の投資家を制限しているため、個人投資家(9,000万人とも1億人ともいわれる)が信用取引を行っている.その損失たるや図りしれない。暴騰時に「株農村」(農民のほとんどが株取引をする村)なる言葉も生まれたが、今では見向きもしないという報道も目にした。
株式の売買停止銘柄も700銘柄を超えるという、およそ資本主義市場では考えられない事態も出現した。政府も、株価の買い支え、株式の新規公開(IPO)の禁止、大口株主の売却制限、利下げと株価対策を打ち出したが、効果なく下落を続けたということになる。まさに「官製相場」である。
ここから「チャイナ・リスク」が意識される。ただでさえ、中国の経済統計は眉唾視される。今年1-3月のGDP発表は4月15日に行われたが、日本の4-6月期のGDP一次速報値の発表はつい先日のことである。わずか半月でGDP統計が公表される国はまずない。しかも、この間2度にわたり元安を実施し輸出拡大を図った。株価暴落を背景に、世界第2位の中国の経済成長にも疑惑が生じ、世界的な株価暴落が生じたとみることができる
中国の貿易額は、輸出が2兆2,090億$(第1位)、輸入が1兆9,450億$(第2位=いずれも2013年)の超経済大国である。元安の実施により貿易相手国(とりわけ新興の後進国)にとっては、打撃になるであろう。日本にとっても、輸出の54.1%、輸入の45.0%がアジア諸国(2014年=財務省貿易統計調査)である。インバウンド需要による”爆買い”にも影響がでると騒いでいるが、それよりも、中国の経済実態がどうなっているか? どのような対策を打ち出してくるかが焦点であろう。

